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【今週の宿題】良いものを分かりたい

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こんにちは。スカラーの笠嶋です。

今週はとてつもない量の花粉を感じ、目がかゆかったです。アレルギーをお持ちの方は体調にお気をつけ下さい。


さて、今回は、最近あまり触れることがなかった話題について書いてみようと思います。


中高生時代、私は、自分がはっきりとした「審美眼」を持ち合わせていないことに悩んでいた時期があったように思います。

つまり、美味しいものを食べるにせよ、美しい絵画を見るにせよ、何が良いもので何が悪いものなのか、自分なりの判断基準を持っていなかったということです。


小学生だった時、地域の遠足で岡山県倉敷市の大原美術館に行き、そこでエル・グレコの『受胎告知』を初めて目にし、訳も分からずしばらく立ち尽くしていたのを覚えています。

壁一面に掛かったその巨大な絵から大きな衝撃を受けたのは確かですが、具体的に自分が何を見て心を動かされたのかは、明確に分かりませんでした。


またさらに過去へさかのぼれば、私の故郷である香川県には、腐るほど多くのうどん屋さんがあちこちに点在しています。

私の家族は、料理の専門家でもないくせに「あそこのは柔らかすぎ」「あそこのは甘すぎ」などと、うどん屋の味を評していました。

悪い評判は、すぐ地域全体に広がります。それで潰れてしまったうどん屋さんも少なくありません。

小さい頃の私にとって、味のことはさっぱり分かりませんでしたので、自分もそうやってうどん屋の味にいちいち文句をつけられるようになりたいと思ったような気がします。うどん屋さんからすれば、いい迷惑ですが...


中学生になると、母方の祖母が亡くなり、四十九日のお勤めをしていました。

夕飯前に仏壇屋さんで買ったお経CDを再生するだけの簡素なもので、私は座敷に寝転がって経本を読んでいました。

不殺生・不偸盗・不邪淫・不妄語・不綺語・不悪口・不両舌・不貪欲・不瞋恚・不邪見...

なにか大事なことが書いてあるような気がしましたが、結局のところよく分かりませんでした。


そうこうしているうちに、高校へ上がりますと、縁あって楽器を演奏するようになりました。

私の頃にはすでにインターネットが普及していましたから、市場に出回っている楽器を片っ端から検索しては、YouTubeで試奏動画を見つけ、素材やパーツの詳細を調べ、お金もないのに「いつかこれを買ってやるぞ」と意気込んでいました。

そのような不毛な作業の繰り返しで多くの時間を浪費していると、ある時、あることに気がつきました。

「なんとなく、見ただけで、良い楽器と悪い楽器が分かる気がする」

実際、私の楽器を見る感覚(これといって日常生活に役に立つわけではありません)は育っていました。


どのような分野・領域でもよいので、何か一つでも自分の審美眼を育てられるような対象を持つことができるというのは、非常に大切なことだと私は思っています。

もちろん、自分が感じ取ったその「良し悪し」が、他の多数の人たちが感じたものとまったく違っていてもいいでしょう。

一度自分の中に培われた審美眼は、他のあらゆる物事に応用させることができます。裏を返せば、そのようなものを一つも持ち合わせていないという場合、何かを「意識的に」掘り下げていく・広げていくという営みが実行不可能になります。


圧倒的な母数の対象に触れ、その細かな要素を分析するといった一連の行為を繰り返していくうちに、徐々に「良いもの」の輪郭がつかめてくるのだと思います。


それでは、以下が宿題となります。頑張って取り組んで下さい!

2/20(月)
中1国語:WinPass① p.140-141、漢字 p.123-124 No.37~72<次回テスト>
中2国語:WinPass② p.164-165、漢字 p.137-138 No.1~36<次回テスト>

2/21(火)
中1数学:WinPass① p.180,181、立体プリント


2/22(水)
中2英語β:級別英単語、単語帳 p.142-143<次回テスト>、WinPass② p.224-225

2/24(金)
中2数学β:WinPass② p.170,171,174

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