ニュース

【今週の宿題】元素の話

カテゴリー:集団授業 宿題

こんにちは、岡村です。

つい先日、興味深いニュースを見ました。

「愛媛大学の大学院で、周期表に無い仮想的な原子からなる物質を発見した」とのものでした。

個人的にワクワクする発見だったのですが、その話の前に少し周期表の話をさせてください。




あらゆる物質を構成する粒子である原子の種類(現在118種類の存在が確認されています)をまとめたものが周期表です。

118種類あるとはいっても、地球上に自然に存在する元素はそのうち94種類で、残りの24種類は人工的に作られたものです。

その周期表に載っていない「新たな元素の発見」というのはちょこちょこ聞く話で、2016年に理化学研究所が行った、113番目の元素 ”Nh ニホニウム”の合成が記憶に新しいです。



そもそも元素の違いというのは、原子の中心に位置する原子核に含まれる陽子の数で決まります。(原子番号=陽子数です)

113番目の ”Nh ニホニウム” は、30番目の ”Zn 亜鉛” と83番目の "Bi ビスマス" の核融合によって合成されました。

原子核は陽子のほかに中性子という粒子も含まれ、それらがとても大きな結合の力でくっついているので、原子核を変化させるのには莫大なエネルギーが必要です。

加えて、原子核は非常に小さいので、この新元素の核融合には莫大な費用と年月がかかります。

現に、ニホニウムの合成は400兆回の実験をしてたった3回しか成功していません。

しかも、できた新しい原子核は不安定なのでその寿命はわずか0.002秒。とても何かに実用化できるものではありませんね。

「莫大な費用と年月をかけてそれかよ!」とツッコミたくなる人もいるかもしれませんが、ここにこそ基礎研究のロマンを感じます。

新元素の発見は、「原子核の陽子を1個ずつ増やせば、次々に新しい原子が作られるんだ」というごく単純だけど本当かどうかわからない理論の確からしさを高めるだけでなく、その努力の中で様々な知見が得られること、つまり「知の蓄積」に大きな意味があります。

400兆回の実験の中で行われた計算や条件の試行錯誤といったデータはほかに代えられない唯一無二のもので、今よりもっと科学が進んだ何十年後・何百年後に必要になるかもしれません。

1936年に歴史上はじめて人工的に作られた43番目の元素 ”Tc テクネチウム” も、合成当初はそれにどんな実用性があるかは全くわかりませんでしたが、研究が進んだ今では医療機器に欠かせない元素となっています。


「今別に必要なわけではないけど、将来役に立つかもしれない」


これは勉強とも似ている気がしますね。




周期表の話が長くなりましたが、冒頭の愛媛大学の発見の話に戻ります。

今回発見した「周期表に無い仮想的な原子」は、新たな元素の発見とは少し違います。

16番目の元素 "S 硫黄" と、34番目の元素 "Se セレン" の中間的性質を示す物質だというのです。(周期表では縦に並んでいる2元素です)

それだけでなく、原子を取り囲む粒子である電子についてもほかの原子とは異なる性質を示しているとのことで、これは半導体や情報通信の分野の革新に大きな可能性を持つとのこと。

英語の論文が公表されているのですが、岡村の英語力では完全に理解するのは難しく…(もっと時間をかければもしかしたら…とは思いますが)

残念ながら詳しい内容は紹介できないのですが、ともかく日本で周期表に関する新たな発見があったということにワクワクした週末でした。今後の展開が楽しみです。





以下は今週の集団授業の宿題です。

3/7(月)
中1国語:漢字プリント<次回テスト>
中1英語:WinPass① p.214-215「過去進行形」、単語 p.46, 48
中2数学β:計算プリント1枚、関数プリント1枚

3/9(水)
中1理科:プリント
中1社会:定期テスト対策プリント(鎌倉~室町時代)
中2英語:WinPass② p.252-253、プリント1枚<次回提出>、単語p.2281<次回テスト>

3/11(金)
中1数学:WinPass① p.91,95,96
中2社会:図表のワーク・確認問題(江戸末期)

Copyright (c) 総合学習塾 SCHOLAR 2020 All Rights Reserved.