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【今週の宿題】今日はノーベル賞制定記念日

カテゴリー:集団授業 宿題




こんにちは、岡村です。

つい先月は「いつまで夏が続くんや?」と思っていましたが、季節の移ろいは早いものですっかり冬らしくなりましたね。

ここ最近サボっていたランニングを昨日久々に再開しましたが、身を切るような寒さに早くも心が折れかけてしまいました。(なんとか規定の距離は走り切りました。)



さて、今日11月27日は「ノーベル賞制定記念日」ということで、先日蕨先生が今年の物理学賞について書いていましたので、私は化学賞のことを少し。

日本人が受賞した物理学賞ばかりがクローズアップされて化学賞はあまり話題になりませんでしたが、

今年のノーベル化学賞は不斉有機触媒の開発を行ったドイツのベンジャミン・リスト氏とアメリカのデイヴィッド・マクラミン氏が受賞されました。

「不斉有機触媒」という言葉、ご存知の方はあまりいないのではないかと思い、そのあたりのことを簡単にお話ししたいと思います。



まず、触媒というのは「直接化学反応に関わりはしないが、化学反応を助けるはたらきをする物質」のことです。

化学の研究というと、「新しい物質や化学反応を見つける」ことが研究対象として真っ先に思い浮かぶかなーと思いますが、(恥ずかしながら私が中高生の頃はそんなイメージでした)

それと同じくらいに、触媒の研究も重要な分野となっています。

化学反応を効率的に行える触媒が無いと、化学製品の大量製造ができなかったり、環境への負荷も非常に大きくなるからです。

体内で行われている化学反応を助ける酵素も、触媒の一種ですね。(生体触媒と言います)



次に、不斉という言葉。

有機や触媒よりもさらに聞き馴染みが薄いかと思いますが、この説明は少々長くなります。


有機物は炭素、水素、酸素、窒素などの元素を中心にしてできた物質で、生物の体の大部分は有機物でできています。

生体の基本単位である細胞はもちろんのこと、体内の情報伝達の役割を持つ種々のホルモンや、医薬品もほとんどが有機物です。

この有機物は原子の粒が木の枝のように連なった構造をしていますが、その中には「光学異性体(鏡像異性体)」を持つものがあります。

光学異性体というのは、下の画像のように原子の並びや全体の形は全く一緒だが、鏡像になっていて決して重なり合わないもののことです。(左手と右手もそうですね)



この光学異性体を持つ有機物のことを「不斉である」とか「光学活性がある」と言ったりしますが、これが大変重要なんです。

原子の並びや形が一緒ということは、ほとんど性質は同じということになるのですが、生体内での作用だけ大きく異なるのです。

例えば医薬品でも、鏡合わせの片方は効果を持つけど、もう片方は一切効果が無い、ということになるわけです。

そうすると、医薬品を作るときに「鏡合わせのどちらかだけを作る」ことが必要になるのですが、これが難しい!!

なぜなら、ほとんど性質が同じだから、普通に作ろうとしても 1:1 の割合で合成されてしまうからです。



ここで登場するのが触媒です。



触媒の中には反応を速めるだけでなく、この異性体の片方だけを作る(不斉合成と言います)よう調整してくれるものもあるのです。これを不斉触媒といいます。

つまり、この不斉触媒の開発は、医療においてとても重要な役割を持つということですね。




長い説明もあと一息です。




不斉触媒の重要性が注目されはじめたのは意外と最近で、1980年頃からこの研究は広がり始めました。

当初は金属を素材とする金属触媒が主流で、2001年にノーベル化学賞を受賞した野依良治氏の研究も金属触媒を用いた不斉合成に関するものです。

ですが、今年受賞された両氏は(それぞれ独立に)生体触媒である酵素を参考にして、金属ではなく有機物の不斉触媒の開発を行いました。

これが不斉有機触媒です。(やっと!)

有機触媒は金属を必要としないため、金属触媒にはない以下のような利点があります。

①原料が安価。
②生成物への金属の混入の心配がない。
③合成の際に、高コストの条件(高温・高圧・無水・無酸素など)を用いないでよい。

そのため、両氏が2000年頃に開発を発表してから、不斉有機触媒の研究は爆発的に広がり、今もなお進展を続け、医療に大いに役立っているのです。

この功績が認められ、今年の受賞に至ったわけですね。




拙い説明でしたが、不斉有機触媒の意義深さが垣間見えたでしょうか。

最先端の科学技術を理解するのは大変ですが、ノーベル賞を受賞するような研究くらいは、現代社会や人類の未来にとってどのような意味を持つのか理解したい…

と、この文を書きながら思いました。娯楽にばかり走ってはいけないな… 反省です。




以上、今年のノーベル化学賞の話でした。




さて、高校3年生や中学3年生は受験勉強、1・2年生も定期テストに向けて対策勉強と、体調管理が大事な時期です。

寒さや乾燥に負けずにがんばりましょう!(私も指導はもちろん、ランニングも継続してがんばります!)

以下は今週の宿題です。

11/22(月)
中1国語:必修テキスト「故事成語」「竹取物語」「ベンチ」「森には魔法使いがいる」、漢字練習
中1英語:学校のワークを終わらせる、新ワークUnit5-7進める
中2数学α:Keyワーク p.89〜91, p. 93, p.111〜115
中2数学β:Keyワーク② p.86-89,92,93,106,107
中3理科:WinPass全 p.109-113

11/23(火)
中3数学α:WinPass③ p.169,170
中3数学β:keyワークp.145
中3英語β:WinPass p.204-205 大問1-5、単語テストの復習

11/24(水)
中1社会:歴史 先史~古墳時代まで復習、地理プリントを埋める
中2国語:テスト範囲のプリントを一通り取り組む
中2英語:新ワーク② p.58-113

11/25(木)
中3英語α:英単語4級(来週火曜)、Winpass p.1022⃣-103(来週火曜)、英単語3段(来週木曜)
中3英語β:WinPass③ p.208大問1、p.222-223大問1-5、単語の勉強(自分でテスト→覚えてないものを練習 を繰り返す)
中3数学α:WinPass③ p.157,158,171,176
中3数学β:WinPass p.169, Keyワーク p.151, p.10, p.12, p.13

11/26(金)
中1数学:テスト対策プリント
中2理科:対策プリント 9,10,11,18
中2社会:地理プリントの空欄補充
中3国語α:漢字テスト p.171 - 172(来週月曜)、古典プリント
中3理科:WinPass全 p.174-177
中3社会:WinPass全 p.8, 32を何度も解くこと

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