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【今週の宿題】あさごろも

カテゴリー:集団授業 宿題

こんにちは、スカラーの笠嶋です。

 
 中学生の皆さんは、少し前に定期試験が終わりましたね。お疲れさまでした。

 
 一方、高校生の皆さんは、試験の真っ最中、あるいはこれから始まるという方が多いかと思います。天気が悪い日が続いておりますが、精一杯頑張って下さい!

 

 さて、前回私が担当したブログでは、「授業の予習」について色々と思うところを記させていただきましたが...

 

 今回は、「古典の勉強」について、思うところを色々と書こうと思います📚

 

 

 なぜ古典を勉強するのか、疑問に思われる方も多いと思います。そもそも、現代的生活を普通に送っていくうえでは、古典は無用の代物であるとも思えます。

 

 私は紫式部や王安石のファンですから、古文・漢文を読むのはそこまで苦ではありませんが、それらを見ただけで頭痛を催すという生徒さんもいらっしゃいますので、そんな方はちょっと読んでいただけると嬉しいです。

 

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 …中学3年生の社会では公民の勉強が始まりますが、そこでは、まず最初に日本国憲法の内容を順番に見ていくことになります。


 憲法には国民の三大義務というものが記されており、そこには「勤労の義務」が含まれています。つまり、富める者も貧しい者も、その人の立場がどうであれ、日本国民は皆働かなければならない、ということが憲法に記されているのです。


 私も、授業で中3生に初めてこの内容を教える場面で、生徒の皆さんが「えー...」という落胆の表情を見せるのを、ひそかに楽しんでおります。(その一方で、「早く社会に出て働きたい」と思っている生徒さんが多いのには驚かされます。)


 さて、あくまで「合理的に」考えるのならば、このような規定はおかしいと感じる人がかなりいらっしゃると思います。なぜお金をたくさん持っていて、働かずとも余裕で暮らしを営んでいけるような人でさえ、わざわざ労を費やして働かなくてはならないのでしょうか。


 例えば、ここに西洋と異なる日本人の労働観が読み取れる、ということが言えると思います。つまり、古来より西洋では、「労働:labor」というものは、奴隷をはじめとする比較的身分の低い人々が従事するものと考えられてきたのであり、そこで「労働」とは、文字通りの「労苦」でした。


 それでは、これまでの日本において、「働くこと」はいったい何を意味してきたのでしょうか。どのような人が、どのようにして働き、そして、彼ら・彼女らはどのようにして社会的に認識されていたのでしょうか。


 そして、日本国憲法に「労働の義務」という文言を盛り込んだ当時(第二次世界大戦直後)の人々は、どのような文化的・歴史的背景を持って、そのようにしたのでしょうか。
 

 このように見ますと、私たちの社会の仕組みのあらゆるものが、その土地ごとの歴史や文化によって支えられているのだということが分かります。「合理性」のみによって仕組みがこしらえられているのではありません。
 
 もしそうでなければ、家族をはじめとする私たちにとって身近でありふれた様々な人間関係や制度は、不合理の名のもとに一切否定されてしまいます。が、そうするべきだと主張される方が中にはいらっしゃるのも事実です。


 いずれにせよ、そのようなことを認識した段階になって初めて、社会制度の構築において、そもそも「合理性」はどこまで追求されるべきなのか、また、それによって生じるメリット・デメリットにはどのようなものがあるのかについて考える段階に移ることになるのでしょう。


 ...と、これはあくまで一例ですが、賛成と反対とを問わず、このような主題について何かしらの意見を持つということになった場合、「古典をあたって調べ、考える」というのは避けて通れぬ道であるように思われます。

 つまり、歴史上、日本人の考え方や社会制度に影響を与えてきた文献を読み、それを検討する、という手法にどうしても行き着いてしまうのです。もちろん、これは日本のみならず、どの文化圏について調べる場合にも当てはまります。
 

 また、現代語で書かれた市販の書籍で、そのような古典の一部が抜粋されたものが簡単にまとめられているようなものを手に取る、という方法も考えられます。

 しかし、現代語のみによって触れることのできる情報は、実際のところは氷山の一角に過ぎないですから、アクセスできる情報がかなり限定されてしまいます。むしろ先のような事柄について考える場合、今ではもう市販されていない書物に触れる機会の方がずっと多くなるでしょう。(そのような書籍はあまり売れませんので、長く売り続けられるものは珍しいです)


 あるいは、そもそも古典など読まなくとも社会のしくみについて考えることはできる、と思われる方がいらっしゃるかもしれません。確かに可能ですが、そのような方法で思い描かれた仕組みというものは、いわば「空に浮いたお城」のようなものになる場合が多いです。
 
 つまりそれは、現状からかけ離れた、美しい観念的な理想像となるのです。このような「空に浮いたお城」のようなものは、時に「イデア」と呼ばれ、「ideal : 理想的な」という英語の語源にもなっています。(もちろん、イデアはイデアとして、とても大切な価値あるものです。)
 

 ただ難しいのは、古典は、経済的な即効性が見えやすいものではないということだと思います。

 古典は、それについて学んだうえで、人と交流する・家族を養う・仕事をする・社会について考える などの二次的効果を生む潜在性を秘めた、一次的な土壌のようなものだと思います。

 例えば、太陽や空気が存在しないとすると、トウモロコシは育ちません。しかし、わざわざ太陽や空気の存在を認識して、それらに深々と感謝を示す機会はあまり無いと思います。(昔の人は、お祭りや儀式で自然を祀っていましたから、祭祀や神話が、当時の人々の世界認識方法の一つであったことが分かります)


 経済学では、太陽や空気などの一次的要因は基本的に無償であって、誰でも利用できるようなものであるとされています。それゆえ、普通に生活していると、その存在や効用をはっきりと認識する機会はほとんどありません。ひょっとしたら、現代を生きる私たちにとっての古典も、そのようなものであると言えるかもしれません。

 

 …長くなりましたが、私が古典の勉強について考えているのは、以上のようなことです。文理を問わず、最低限の文法を学んでおいて、「辞書を使えば読みたい時に読める」くらいのレベルまで習得しておいて損はないと思いますよ!(英語についても同じことが言えると思います)

 

 そんな訳で、明日から太陽と空気に感謝して生きていこうと思います🌞

 

 さて、以下が今週の宿題になります。頑張って取り組みましょう!!

 

 

6/28(月)

小6英語:プリント2枚<次回提出>、単語No.489-498(p.118-119)

中1国語:読解問題1題、漢字p.103<次回テスト>

中1英語:WinPass① p.60 1-3、プリント1枚<次回提出>、単語o.306-335(p.42-45)<次回テスト>

中2数学α:WinPass p.88〜93

中2数学β:WinPass② p.75大問1-4、p.56大問2,4,6、プリント「1次関数のグラフ」

 

6/29(火)

中3数学α:WinPass③ p.74,75

中3数学β:WinPass p.70, 74, 解の公式の暗記

中3英語α : Winpass p.1522⃣、英単語2級テスト勉強

中3英語β:プリント1枚、8級の単語(7/15にテスト)

 

6/30(水)

小6算数:ウィンパス p.74,75,81

小6国語:ウィンパス p.90-91, 漢字 p.73-74

中2英語:A3プリントの残り、B5プリント1枚<次回提出>、単語No.891-920(p.144-147)<次回テスト>

 

7/1(木)

中3英語α : プリント1枚、英単語1級(次回テスト)

中3英語β:WinPass③ p.176-177、プリント1枚、7級の単語<次回テスト>

中3数学α:WinPass p.77大問5、p.80、2次方程式プリント

中3数学β:WinPass p.57, 61, 84, 86

 

7/2(金)

中3国語α:ウィンパス p.82 - 85, 203、漢字 p.131-132(次回テスト)

中3理科:ウィンパス p.156-159

中1数学:Winpass p.56〜58

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